心筋梗塞を発症して緊急手術をしてからもうすぐ2か月たつ。早いのか遅いのかはわからない。大人になったら時間が過ぎていくのはあっという間だ。でもこの2か月間の出来事はよく覚えている。単純だったがよく覚えている。自分にできることはほとんどなかったがよく覚えている。
リハビリと食事と休息。それだけしかできない。でも必死だった。前に進まないとベッドで寝たきりになりそうで怖かった。でも動けない。気持ちに体がついていかない。心臓がついていかない。「あせるな」と自分に言い聞かせながら、リハビリ、食事、休息をくりかえす。
退院後も自宅でリハビリを少しずつ毎日繰り返す。エアロバイクを使うのでリハビリは部屋の中でできる。季節は冬、外は寒い。記録的寒波が来ても、雨が降っても、雪が降っても毎日できる。はじめのころは指定された負荷だとすぐに脈拍があがってしまった。
なので入念にストレッチをしてから低い負荷で始める。普通の人がクールダウンに使うぐらいの負荷量だ。けど最初はこれぐらいがちょうどよかった。とにかく心臓リハビリは有酸素運動が大事。低い負荷量でも脈拍が上がりすぎないように注意して続ける。

変化は1か月半ぐらい過ぎたころにあった。階段の昇降時に心臓の負担をあまり感じなくなってきた。ゆっくりとした動きでだが前より楽になった気がした。いきなりではなく、段階的に負荷を上げていくと脈拍があがりにくかった。
エルゴは負荷量を5Wづつ操作できる。最初25Wからはじめ10分エルゴをこぎ、体が慣れてきたら30Wにあげて10分こぐ。次の日も、次の日も。脈拍があがらなかったら。5Wづつあげて、25Wから指定された40Wまで負荷をあげていった。40Wでゆっくり歩くぐらいの負荷だが、僕の今の体にはちょうどいい負荷だ。
時間も最初は20分も続けられなかった。それでも毎日続けていたら、今では60分はこげるようになった。サドルが硬くてお尻が痛くなってきたほどだ。昔スノボをするときに使っていたケツパッドをはいてみた。少し楽になった。
お尻の部分にパッドが入っていて、こけた時の衝撃を吸収してくれる。スノボしているときの必須アイテム。こんなところで役に立つとは。リハビリの時間がのびるのは嬉しいのだが、お尻が痛くなるのは何とかしたい。
最初は脈拍センサーの値とにらめっこをしながらエルゴをこいでいた。だんだん脈拍が安定してきて、今ではテレビを観ながらエアロバイクをこいでいる。NETFLIXと契約していたのでお世話になった。ドラマをみて、アニメをみて映画をみた。リハビリが楽しくなってきた。リハビリが楽しめるようになってきた。少し目の前の景色が明るくなったように感じた。


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